2023年6月 公開
2022年製作/105分/G/アメリカ
原題:Women Talking
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原作は2018年に出版され、NEW YORK TIMES ブックレビュー誌の年間最優秀書籍に選ばれたミリアム・トウズによる同名ベストセラー小説『WOMEN TALKING』。2005年から2009年にボリビアで起きた実際の事件を元に描かれている主演はその演技力で2度アカデミー賞®にノミネートされたルーニー・マーラ。その他、Netflixのドラマシリーズ「ザ・クラウン」で主演女優賞、最優秀ゲスト女優賞と2度エミー賞を獲得したクレア・フォイ、ジェシー・バックリー、日本でも『007』シリーズ、Q役でおなじみのベン・ウィショーなどそうそうたるメンバーが出演。
【あらすじ】
「目が覚めたら、アザや傷が出来ていた」
キリスト教一派の小さな村で実際に起きた連続レイプ事件。当初それは「悪魔の仕業」「作り話」であると男性たちによって否定されていたが、ある日現行犯で加害者の存在が明らかになる。「赦して何もしない」か「残って闘う」か「出ていく」か。男性たちが街へと出かけている2日間、彼女たちは自らの尊厳と未来を懸けた話し合いを行う…。
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シネコヤスタッフのコラム
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小学生の頃、知らないおじさんが目の前でパンツを脱いで見せてきたことがある。性的な言葉を投げかけられながら自転車で追い回されたことがある。スーツを着たおじさんに下着を見せてと言われたことがある。
その意味を理解して正しく傷つくことができるような年齢になった頃、ふとその出来事を周囲の友人たちに話してみると、皆が口々に異なる被害の経験を語り出し、その内容のあまりのひどさにショックを受けたことがあった。
この作品は、あるキリスト教一派の小さな村で実際に起きた性暴力事件を元に、女性たちが奪われた尊厳と「よりよい未来」のために議論を展開していく様子を丹念に描いている。
女性の言葉を軽んじて巧妙に口を塞ごうとしてくる“有害な男性性”(≠男性そのもの)を徹底的に排した空間で、立場や意見の異なる女性たちはひたすら“話し合う”。「過去を恨んで生きるより、未来へ希望を抱きたい」と願いながら。
性暴力事件を「悪魔の仕業」「女性たちの作り話」として被害を無効化する村と、勇気ある告発や切実な訴えが「女性はいくらでも嘘をつける」と誹謗される国は地続きで、時代や国を越えて現実に存在している。
「自衛が足りないんじゃないか」と被害者にも被害の責任が問われるこの社会で、私はあの村で訴えを聞き入れられず死に追いやられた女性のことや、この街でトラウマを抱えて満員電車に乗れなくなった友人のことを思う。
彼女たちの経験は、私自身だったかもしれない。
あらゆる場所で語られる被害の経験が、決して特殊で限定的なものではないということを、私はもう知ってる。
私たちには、自分の経験〈痛み〉と向き合い、正しく傷つく時間と、それについて話し合う場が必要なのかもしれない。
“赦し”が“許可”にすり替えられて、なかったことにされる前に。
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