2022年5月 公開
2022年製作/114分/G/日本・フランス合作
(C)2022「マイスモールランド」製作委員会
公式サイト
企画のはじまり
川和田恵真監督が初めてクルドに興味を持ったのは、ISISが勢力の拡大を続けていた2015年頃。土地を奪われたクルド人が、自分たちで兵隊を作り、ISISに立ち向かうという状況の中、「私と変わらない年代の若い女性が大きな銃を持って、自分たちの暮らす土地を守るために最前線で戦っている写真を見て、衝撃を受けました」と監督は振り返る。クルドについて調べるうちに、日本にも難民申請中のクルド人が2000人近く住んでいることが分かった。この日本で、自分の居場所を求めて、闘っている人たちがいる――。彼らのことをもっと知りたい、話を聞きたいと思って、実際に会いに行ったことが、この映画の出発点となった。
映画の企画として立ち上げた2017年頃から、在日クルド人の方々への本格的な取材をスタート。取材期間は2年近くに及んだ。主人公のサーリャと同じ女子高生のいる、いくつかの家庭の取材のほか、そこで知り合った家族の親戚や知人で、入管に収容されてしまった方たちにも面会に行き、収容所の実情について詳しく話を聞いた。監督の心に強く残ったのは、クルド人の当事者の方の「難民申請中というのは“不治の病”にかかっているような気持ちだ」という言葉。長い間、出口が見えないつらい状況に置かれ続け、精神的にも肉体的にも追いつめられてしまう心理をリアルに言い表している。
コロナ禍により、仕事を失ったり、入管法が改悪されそうになったりと、クルド人の現在の境遇は、映画の制作を始めたときより、さらに過酷になっている。「本作の制作も何度か延期になり、実現が危ぶまれることもありましたが、自分ができることとしては、この映画を作って伝えることだと思ったので、あきらめずにやり通すことができました。本作が今の不条理な状況を知る糸口になったらいいなと思っています」(川和田監督)
オーディションでの運命的な出会い
制作スタッフが嵐莉菜と会ったのは、すでにオーディションがかなり進んでいた頃。面接で監督が「自分は何人だと思いますか?」というセンシティブな質問をした際、嵐が「自分のことを日本人だと言っていいのか分からないけれど、私は日本人って答えたい。でも、まわりの人はそう思ってくれない」と、自身がこれまでに感じてきた葛藤をはっきりと打ち明けたことが決め手のひとつとなった。オーディションが始まっても、クルド人ではないキャストがサーリャを演じることに不安を抱いていた監督は、「その気持ちを理解できる彼女なら、この複雑な環境にいる主人公を任せることができると思いました。そのとき見せてくれたナチュラルな演技もすばらしく、オーディションのときから、サーリャ役を生きてくれていたという感覚でした」と語る。
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