2019年製作/81分/アメリカ・メキシコ合作
2021年1月 公開
原題:Midnight Family
(C)Family Ambulance Film LLC
公式サイト
メキシコ・シティでは、人口900万人に対し、行政が運営する救急車は45台にも満たない。そのため、専門訓練もほとんどなく、認可も得ていない営利目的の救急隊という闇ビジネスが生まれている。オチョア家族もその一つだ。 同業者と競い合って、緊急患者を搬送する毎日。この熾烈なビジネスで日銭を稼ごうと奮闘するオチョア家だが、現実はそう甘くない。腐敗した警察による取り締まりが、さらに家族を窮地へと追いやっていく。
「ミッドナイト・ファミリー」は、倫理的に疑問視されるオチョア家の稼業を、人間味あふれる視点で捉えつつ、メキシコの医療事情、行政機能の停滞、自己責任の複雑さといった差し迫った課題を私たちに突きつける。
監督コメント
私がメキシコで住んだアパートの近くには総合病院があった。この市立病院は常に過密状態で、病気や怪我をしたチランゴ(メキシコシティ在住者の俗称)たちが毎日長い列をなしていた。感情的なレベルでその状況を「無視することは不可能」だったとルークは言う。果てしない悲惨な状況の中で、命を救うべく走りまわり働いていたのは70から80台そこらの民間救急車だった。多くが闇営業で限られた装備しか持たず、救命搬送と引き換えに患者が支払う代金に依存している彼らだが、民間救急車の存在はメキシコシティの人々にとって間違いなく命の綱だ。一方、わいろや規制により脅しをかける警察が普通に存在するような不正はびこる市場でもあるため、民間救急隊は「海賊」や「寄生虫」と言い表されることもある。この現象の発端は、1985年のメキシコ地震後に北米・中米から救急車が流入したことにあると言われている。今日において、この“闇”救急救命事業は世界でも最大規模の最も混沌とした医療システムの必要悪となっている。
この物語の大部分で語られているのは善と悪の微妙な均衡で、そのほとんどが悪状況の中で善なる人々が抱える止むに止まれぬ事情にあると考えました。編集でもそこが本当に心血を注いだ部分なのですが、うまくいくかどうかも分からず、神経がすり減るような作業でした。少なくとも彼らを裏切らない作品になったと感じたときは、深い感謝の気持ちでいっぱいでした。多くの上映会を通じて、彼らのおかれている混沌とした状況を知ると共に、彼らが人間的に愛すべき人たちであることを観客に感じてもらえたと思います。
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